1月28日のエジプト大騒乱から、ムバラク大統領の辞任に至るエジプト革命以降、約3ヶ月間エジプトに行っていませんでした。騒乱は、3月末にはほぼ平常に戻っていたのですが、東日本大震災が起きてしまい、エジプト行きは3月、4月とチャンスを逃してしまい、やっとこの連休を利用して行くことができました。
エジプトは、少なくともカイロは、平静を保っていまして、町中は以前と全く変わっていませんでした。唯一その跡といえば、ムバラク前大統領の政党(NDP)ビルが焼打ちにあって黒焦げになっていることでした。タハリール広場には座りこんでいる人もいなく、相変わらずたくさんの人が行き交っていました。
ただ、あの革命以来、警察の権威と権力は失われ、市民が警察の言うことを聞かなくなったため、交通混雑が以前より増したとのことです。聞くところによりますと、警官が以前の半分くらいに減り、すなわち半分は離職してしまい、警官不足で犯罪が多くなっているのだそうです。以前は市民が警官を恐れていたのが、今や警官が市民を恐れているのだそうです。時には、数人の市民が警官を殴る蹴るという行動に出たり、警官の家に市民が石を投げつけ、窓ガラスを割るということもあるそうです。また、言えば通るという風潮が拡大し、サマータイムがなくなったり、ある県の知事が辞めさせられたり、鉄道が止まったり、政府のコントロールが難しくなったと嘆いているジャーナリストがいました。
それらはほんの一部で、元々おとなしい人々であるエジプト人は、早く国際社会に復帰したいと思っているようです。ともかくツーリストが少ないです。ホテルもがらがら、ギザのピラミッド周辺にも観光バスはいず、カイロ博物館にはほとんど見学者がいません。1日数億円だったという観光収入は、今やゼロに近いということで、今やエジプト収入はスエズ運河の通行料だけで、国が潰れるのではないかと言われています。
どちらにしましても、7月の選挙、9月の大統領選が終わるまでは、耐えるしかないようです。