久しぶりにエジプトに行ってまいりました。今年の夏はラマダン月(断食の月で有名。イスラム暦で9月)だったので、夏のアブシール南の調査もしませんで、来年1月に延期したので、エジプトに行くチャンスがなかったのです。おかげさまで、今年の夏は、お祭りにたくさん行くことができました。日本の夏は、「祭りの夏」と言われるくらい祭りが多いですから、行き甲斐もあるわけです。
カイロもようやく涼しくなり、暮らしよい気候です。ベストシーズンです。留学でエジプトに住んでいたころ、毎年
10月が終わるのが楽しみでした。今回は、久しぶりにギザ台地の大ピラミッド南側から発見された、第2の太陽の船の発掘・修復・復原プロジェクトの途中経過を視察するのが目的でしたので、朝早くから午後まで、現場に張り付いて細かいところをチェックしました。
3日目に、考古庁長官ザヒ・ハワス博士に1時間ほど面会でき、6ヶ月ぶりの旧交を温めあいました。相変わらず、テレビ画面どおり元気いっぱいで、声を張り上げて色々なことを話してくださいました。ザヒ博士の面会時間は、1コマ15分です。話の内容が濃くて時間がかかるので、一番最後になりますと、1時間くらい延びてしまいます。約1時間待たされることを覚悟で最後のアポイントを取りますと、一番濃い話ができます。その他、このプロ
ジェクトに関わっている多くの人々と会い、意見交換をしました。現場主任の黒河内先生も指揮していました。
作業はエジプトペースですが、スケジュールに少々遅れが出ている程度で、エジプトとしてはいいペースです。現在、石蓋を上げ、ピット内の木の部材を取り上げる準備の施設作り中です。箇所箇所を見ると、途中なのでその進展がよくわからないのですが、全体として見ますと、夏前とは違ってかなり進展しています。
さて、驚いたのはツーリストの多さです。毎朝8時半くらいにギザに行きますと、大型バスが4、50台あります。小型バス、乗用車を足しますと150台近くで、10時ごろには300台近いです。しかし、日本人が少ないです。エジプト航空が日本から毎日飛んでいますから、もっと日本人が多くてもいいはずなのですが。それに、米国人の多さに驚きます。それも老夫婦です。昔の米国人ツーリストに戻ったみたいで、微笑ましいです。米国は、お年寄りの観光旅行に補助金を出しているそうです。アジアで多いのは、やはり中国人です。街やバザールはツーリストでごった返していましたが、あまり買っている風ではありませんでした。
仕事が終わってシャワーを浴び、ビールを飲むと、エジプトにいることを忘れてしまいます。