10月30日(土)、台風が関東に大接近する中、「エジプトフォーラム19」を開くことができました。さすがに台風が来るというので、申込み者数は800人でしたが、実際に来てくださったのは600人強でした。しかし、大隈講堂の1階席はほぼ一杯という感じで、来場者の方々の決心の強さに心打たれました。来られなかった方のかなりの多くは、電話やメールやファックスで、電車が止まっていて行けません、と知らせてくれて、ここでも、日本人の健気さというか、心のあり方に感激しました。
  マスコミでは、今や日本人の考えは地に堕ちた風に伝えられていますが、決してそんなことはないと日々実感しています。もちろん、マスコミがすべてウソを言っているというのではありません。一部は事実そうなんでしょうが、大半はちゃんとしています。
  また、「日本は」とか「日本人は」、と特定化して言いますが、そう言っている人は、どれだけ外国(200カ国以上もあるのに)に行ってみて実体験しているのか、首をかしげます。特に、昔にジャーナリストとして外国に取材に行ったという人の、データの古さにはあきれることがあります。レギュラーを持ったら行けないのは当然ですから、偉そうに比較しないでいただきたいですよね。私は、死ぬまで一介の私人でいるように心がけます。
  さてフォーラムですが、もう19回も毎年続けています。ありがたいことです。今回は、第一部で、私が本年6月に名誉教授を授与させていただいた記念に、「早大エジプト発掘45年の軌跡」と題して講演しました。と言うのも、私が早大を辞めるとき、諸事情で最終講義をしませんでしたので、その埋め合わせもありました。
  第2部は、早大エジプト調査最新報告で、近藤二郎先生のルクソール発掘、菊地敬夫サイバー大学准教授の「ルクソール王家の谷アメンヘテプ3世墓のデジタルアーカイブ」、矢澤健発掘主任の「ダハシュール第19次調査報告」、長谷川奏早大准教授の「デルタ西部のリモートセンシング調査」が行われました。
 全部で3時間あまり、みなさん席を立つことなく熱心に聞いてくださりました。とてもありがたく、うれしい一夜でした。終了ごろには雨も小降りになりました。
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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。