エジプトをはじめとして、この1ヶ月の間にいくつかの海外出張があり、本ブログを休んでしまったことをおわびします。
最近の出来事といえば、エジプトから戻った翌日に、滋賀県の守山市の市民大学で講演し、その次の日から1泊2日で、沖縄県八重山郡竹富町鳩間島で行われた豊年祭に参加してきました。
おそらくほとんどの方は、この鳩間島を知らないと思うのです。私も行くまで知りませんでした。石垣島の南端の竹富町に所属する、小さな島です。すぐそばに西表島があります。人口は50人弱の小さな島ですが、18世紀ごろ人が住むようになり、その後、八重山地方で広く行われていた五穀豊穣を祈願する祭りが入ってきて、今日まで続いていると言われています。
島の5分の4は人が住んでいない、自然の中に人が住まわせていただいているという感じの島でした。海は青く、雲は白く、太陽はキラキラし、夜空には満天の星が見えるという、桃源郷のようなところです。ここにいますと、時間が止まったのではないかと錯覚してしまいます。祭りも、なんとなく始まり、夜が明けるまで続き、なんとなく終わるといった、人間が一番自然に近づくところです。『天国に一番近い島』という小説がありましたが、太陽に一番近い島とか、星に一番近い島と言える、不思議な島です。
祭りは神儀と余興を分けて行っていて、人口50人弱しかいないのに、1年に1度この祭りのときは、200人から300人の、この島の出身者や観光客、ジャーナリストが集まるそうです。
島の物、土地や建物は、他島の者には売らないとか、島の物を持ち帰ってはいけないとか、持ち込んだものは持って帰ることなど、厳しい掟があります。例えば、タバコとか文房具、生活用品など、食料以外のものは、余程のことがないと島民以外には売ってくれないのだそうです。ですから、蝶とか昆虫、ヤシガニ、アリ、ハエ、蚊などが、我が物顔で羽を伸ばしています。
バンガローに泊まりましたが、テレビはなく、湯沸かし器もなし。クーラーは1時間毎に100円入れる。夜は停電という、とても考えられない生活をしました。水が貴重なので、無駄使いを深く戒められます。水は、お隣の西表島から、海底パイプで送ってもらっているのだそうです。すごい島です。
帰りに石垣島で、私がエジプトに初めて行くとき応援してくださった、当時の早稲田大学総長だった大浜信泉先生の記念館に行き、御礼をしてきました。大浜先生は石垣島の出身だったことを知り、とても懐かしかったです。
しかし、以前から1度行きたかった石垣島の中も見ず、その手前にある西表島にも行かずに帰ってきたことは、残念でした。