12月11日(木)、大分県立芸術会館で「吉村作治の新発見!エジプト展」が始まりました。2009年2月1日まで開催されます。主催は大分放送(OBS)です。私は12月10日から12日まで大分に行き、オープニングセレモニーと3度のトークショーを行ってきました。毎回会場がいっぱいになるほど多くの方が来てくださいまして嬉しかったです。20日、21日もトークショー、サイン会を行いますのでぜひ来て下さい。
 この展覧会は2007年1月と10月にダハシュール北遺跡で発見された、夫婦のミイラ(セベクハトとセネトイトエス)が入っていた木棺と、親子ミイラの父親の木棺(チャイ)がメインで、他に国立カイロ博物館の埋葬やミイラに関する遺物80点余が展示されているものですが、ほとんどが世界初の展示物です。エジプトからも3名のVIPと1名の学芸員の方が来てくださり、地元からも副知事を含め有力者の方が列席して下さいまして、華々しくオープンできました。大分でのエジプト展は私としましては初めてです。これまでに講演では何度も訪れたことがあり、またダイドードリンコの「日本の祭りプロジェクト」ではここ5年毎年、お祭りに参加するために訪れています。ちなみに今年は国東市の「ケベス祭」(火祭りです)に参加しました。
 12月13日はこの「日本の祭りプロジェクト」で参加する今年最後のお祭りとして、宮崎県の高原町祓川(たかはるちょう はらいがわ)の霧島東神社で行われた神楽に行ってきました。高原町の人口は現在1万人強です。昭和30年頃には1万6千人いたそうですが、日本経済が拡大していく中で毎年300,400人ずつ外へ出て行ったということで、高原町の祓川地区では60世帯の方がこの伝統文化を守っています。この神楽は日本有数のもので、国立劇場や九州地区神楽大会でも優秀賞をとっています。唯一の悩みは少子化で後継者がいないということだそうです。そのため、今の住民だけでなく一旦この町を出た人の子どもたちにも参加を呼びかけているということです。ここは天孫降臨の地とされ、神武天皇の4代前から神様が降臨し今に至っています。全国の天岩戸伝説の岩はここから飛んでいったということです。
 今は人より牛が多いくらい、畜産業が盛んなようです。高千穂の峰に降った雨水は炭酸の入った水となり、この水で炊いたご飯の味は日本一だと古老が自慢されていました。私も食べましたが本当に美味しかったですし、水の味が他とは違っていました。また、温泉に入ったのですが、鉄分が多いのか(成分表を見なかったので確かでないのですが)お湯に色がついていてぬるぬる感が強かったです。
 この日は真夜中に町長とお会いし、高原町のことをいろいろとお聞きしとても楽しかったのですが、あいにく雨が強く、本来は屋外で舞うのですが、神楽殿で行われました。32の演目があるそうですが、もっとも人気のあるものは「剣(つるぎ)」というもので、5才の子どもが2人の大人の介添えで真剣を素手で掴み舞うものです。観ている側はハラハラドキドキでした。終わった時その子が両手を広げて、手のひらに傷がついて血が出ていないかを確かめていたのが微笑ましかったです。500年続いていても一人としてケガをした子はいないと、地元の人が言っていました。その人も、50年以上前、5才のときに舞ったと言うことでした。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。