王墓からは、3台の儀式用寝台が発見された。それぞれ、3人の神を象徴する動物の胴体を引き伸ばした格好になっている。
葬儀の際、遺体は3つの寝台を用いて埋葬の準備をほどこされた。死者は、3人の神と接触することによって、再生の機会が保証されるのである。
雄ライオンをかたどったメヘト女神は、ナイル川の定期的な氾濫を、アメミトを表したカバ、ヒョウ、ワニの合体動物は、太陽の永遠の再生を保証し、若い雌牛の姿のメヘトウェレト女神は、原初の海からの誕生を保証した。このメヘト女神の姿の寝台には、葬祭の様子をあらわす絵が数多く描かれている。