エジプトの遺跡は、アスワン・ダムやアスワン・ハイダムの建設により、多かれ少なかれ被害を受けたといっても過言ではない。
第1急湍南端のフィラエ島は、かつては「ナイルの真珠」と称されるほど美しい景観の島だったが、アスワン・ダム建設後、1年のうち夏の2ヶ月を除く10ヶ月の間、水没することになってしまった。ハイダム建設後、被害はさらに深刻となり、遂にユネスコが、島内のイシス神殿救出作戦に乗り出した。
現在は、すぐ隣のアギルキア島に、位置関係などはそのままに移築されている。主な見どころには、第30王朝ネクタネボ1世の名が刻まれているキオスクと、イシス神殿第1塔門などがある。