良質の赤色花崗岩の産出地として名高かったアスワンに、古代の石切り場の情景を思い起こさせてくれる遺跡がある。アスワンの市街地から南へ1km、ここには、岩に亀裂が入ってしまったために切り出しを止めたと考えられるオベリスクが横たわっている。
オベリスクとは、古代エジプトの太陽神信仰の象徴的なモニュメント。横たわっているのは、長さ41.75m、重さ1152tと推定される、現存中、最も大きなオベリスクである。
石には規則的にノミ痕や、クサビ穴の跡が残り、どのように石が切り出されていたのかを知ることができる。