首都カイロから約860km南下したアスワンは、エジプト南部の中心である。古代から良質な赤色花崗岩の産地として知られ、産出した石材は、遠くギザのピラミッド建造や各地の神殿建築にも用いられている。
アスワンの町は、もともとはナイル川に浮かぶエレファンティネ島の市場として発展したもので、エレファンティネ島こそが、初期王朝時代から上エジプト最南端の町として重要な役割を担っていた。古王国時代には、クヌム神殿も築かれている。
アスワンは1年を通して過ごしやすい気候のため、観光地として近代的なホテルも多く、『ナイル殺人事件』で知られるオールド・カタラクトホテルも、この町のナイル川沿いに建っている。