ラムセス2世の葬祭殿ラムセウムは、現在では崩壊が激しいものの、地面に転がる彫像の頭部の大きさからも知れるように、建築王の名にふさわしい壮大な葬祭殿であった。
生前の王の偉業を誇るかのように、負け戦に近かったカデシュの戦いを、エジプト軍の大勝利として刻ませている。
また、ラムセウムに残る日乾レンガの倉庫群は、収穫された農作物を再分配するために蓄えておく重要な役割をもったもので、約3300年前の、現存する最古の倉庫跡である。
日乾レンガでヴォールト天井を造るのは大変難しく、当時の建築技術の高さを伺わせるものである。