テティ王のピラミッド北西側に造営された、宰相メレルカの巨大なマスタバ墳は、メレルカ夫妻と3人の息子の家族墓である。
底辺部は40m×24m、内部は30数室に分かれ、21室がメレルカの部屋、5室が息子たちの部屋、数室が妻の部屋となっている。
偽扉の前に置かれた石灰岩製の、2mを超えるメレルカの像は、マスタバ墳の大きさとともに、テティ王の王女と結婚した彼の権力を物語っている。
メレルカの墓は精緻で美しいレリーフでも知られ、カバ狩りの情景や、牛をほふる人々など、当時の人々の暮らしを生き生きと現代によみがえらせてくれる。