古代エジプト人は、動物を神の化身として、また神に仕える聖獣として崇めた。セラペウムは、プタハ神の聖牛アピスのために造られた地下式墳墓である。
創造神プタハはメンフィスで崇拝され、神殿内では聖なる牛アピスを飼育、死後ミイラにしてセラペウムに埋葬した。
造営されたのは第19王朝ラメセス2世時代で、その後、第26王朝のプサメティコス1世や第30王朝ネクタネボ1世の拡張工事を経て、現在の全長198mとなった。内部には28の埋葬室と24の花崗岩製石棺が残されている。
また、セラペウムはエジプト人だけでなくギリシア人にも信仰された。